結婚生活や妻に不満は無いが、心トキメクものを探していた時に某交際グラフに出会いました。
若い女性はもちろん好きですが、もうこの年齢では日常生活の中で若い女性と恋愛関係のようなものが築けるはずもなく、私は交際クラブでならそれが叶うのではないかと思い21歳の大学生とのセッティングを依頼しました。
デート確定後から、行きたいお店の選定や当日の話題の収集を含め心躍る毎日でした。
おもしろいものでこういう時に限って久々のビッグディールが決まる。
良い流れだ。
デート当日、早々に仕事を切り上げ待ち合わせの某ホテルへ向かいました。
心臓が高鳴る。
自然と足取りが速くなり予定時刻よりも早く到着してしまいトイレで身だしなみを整えた後、ロビーを見回すと予定時刻よりも10分早くに彼女が到着していました。
写真で見る彼女よりも数段キレイで若々しかったです。
自分から声をかけると想像していたよりも少し声が高かったのが印象に残っています。
挨拶もそこそこに予約していた市内のイタリアンレストランに行きました。
本格的なイタリアンが初めてらしく、彼女はすごく喜んでくれました。
そういえば、どこかで見た光景だと思いました。
それは初めて自分がデートした時の光景だったのです。
僕の初めてのデートはイタリアンレストランでした。
お店の雰囲気が良く、最初は緊張していた彼女ともすぐに打ち解けることができました。
自分の学生時代の話なんかをしながら、今の大学生の日常を聞く。
お互いの距離が縮まったところで北新地のBarへ場所を移しました。
カウンターに並ぶと二人の距離がさらに近くなり偶然手と手が触れてしまい、絹のような肌で思わず手を握ってしまいましたが、彼女は握った手を離そうとはしませんでした。
その後、「ちょっと酔ったみたい」と彼女が席を立ちお手洗いへ。
私は手を握っていた手を見ながら、タバコを煙をゆっくりと吸い込み、この後の事を考えました。今日は帰るべきか否か。彼女のグラスは空だった。もし彼女が次に僕の一番好きなカクテルを注文したら誘ってみる、そんな賭けを自分自身としてみました。
僕の好きなカクテルはメジャーじゃない。勝つ見込みのない賭けです。
お手洗いから帰ってきた彼女はちょっと恥ずかしげにしていて可愛らしかったです。
もう一杯飲むかと聞いてみると
はい、と彼女は答え、メニューも見ずに注文しました。
「ロングアイランドアイスティー」
それは私の一番大好きなカクテルでした。
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